フレイル(虚弱)とは加齢に伴い、気力や体力など心身の活力が低下するとともに、社会的なつながりが薄れている状態をいいます。
心身の活力が低下すると、日常生活習慣に大きく影響を与えます。フレイルはロコモティブシンドローム(※1)やサルコペニア(※2)が中核症状となっており、放っておけば寝たきりや要介護状態を招きます。フレイルの進行を「年だから仕方がない」として対策をとらずにいると、フレイルの悪循環に陥り、心身の衰えが早く進んでいきます。
いつまでも元気な毎日を過ごし、健康寿命(※3)を延ばすためには、フレイルの予防・改善が大切です。
(※1)ロコモティブシンドローム(運動器症候群)とは
筋肉や骨、関節などの運動器に障害が起き、「立つ」「歩く」といった移動機能が低下している状態のこと。
(※2)サルコペニア
加齢による筋肉量の減少と筋力が低下した状態。ロコモティブシンドロームを引き起こす要因のひとつ。
(※3)健康寿命とは
医療や介護に依存しないで、毎日元気に生活を送れる期間のこと。
<フレイル予防・改善の3本柱>
1.食生活(栄養)
高齢期ではメタボリックシンドローム(※4)を心配するより低栄養に注意が必要です。体重が減ってやせてくると、心身機能が低下してフレイル状態に陥りやすくなります。1日3食バランスの良い食事を心がけ低栄養を予防しましょう。
2.運動
フレイルを予防するためには、まず足腰の筋力を維持し「動ける」からだでいることが大切です。「動ける」からだでいるためにウォーキングなどに加え、適度な筋力トレーニングも重要です。少しの時間でもいいので、運動を習慣にしましょう。
3.活発な生活(社会活動)
フレイルを招く原因の1つに「閉じこもり」があり、外出の機会が減ると、心身の機能が低下してフレイルの悪循環に陥りやすくなります。外出して社会参加の機会を増やすことで、心身の健康を保ちましょう。
●このほかに注意したいポイント
高齢期の健康づくりでは、口の健康を保つ「口腔ケア」、「適切な服薬」による健康管理、さらに「禁煙」「適正飲酒」なども注意したいポイントです。
(※4)メタボリックシンドロームとは
内臓脂肪が増え、生活習慣病や血管の病気になりやすくなっている状態のこと。